「春よ恋」は、日本の食品業界の救世主

「春よ恋」は、「ハルユタカ」の改良版

「春よ恋」は、ホクレン農業総合研究所(北海道)が開発した小麦の品種で、高たんぱくの国産小麦の「ハルユタカ」を改良して作られた品種です。国産小麦では数少ない強力粉です。北海道の気候に適しているため、他県での生産は難しく、現在は北海道でしか生産されていないとされています。春まき小麦であるため、4~5月頃に種をまいて秋ごろに収穫します。雨に弱い性質のため、北海道でも限られた地域でしか栽培されず斜里郡小清水町では水はけの良い土壌でもあることから日本一の生産量を誇っています。

国産小麦この中では数少ない強力粉

 「春よ恋」は強力粉なので、それを材料にして作る食品には、モチモチとした食感が出ます。そのため、パンやラーメンなどに使われることが一般的です。ラーメンの麺には特に適していて、「春よ恋」から作った様々なラーメンがテレビでも頻繁に紹介されたこともあり、「春よ恋」の知名度は全国区といってもいいかも知れません。  パンにも適していて、食パンやフランスパン、菓子パン、ベーグルなどが春よ恋で作られており、色々な味を楽しむことができます。「春よ恋」で練ったパン生地は、パン作りの初心者でも扱いやすく、膨らみやすいことから、ホームベーカリーなどを使って簡単に自宅で作ることもできます。小さな子供を持つ親は、自宅でパンを作ることで、添加物が入っていないパンを食べさせることができます。

「春よ恋ブレンド」も人気

 「春よ恋」とほかの国産小麦粉を混ぜ合わせた「春よ恋ブレンド」という小麦粉もあります。小麦は農産物であり、年によって、収穫量も違うし、含まれる成分量も微妙に変わってきます。特に業務用の小麦粉に言えることですが、安定した品質の商品を作って消費者に提供するためには、その材料である小麦粉の品質も安定していなくてはなりません。「春よ恋ブレンド」は、「春よ恋」をの特徴が損なわれない程度に、ほかの小麦粉をブレンドすることで、春よ恋の特徴はそのままにして、同時に年による品質のバラつきを抑えられるという大きなメリットのある小麦粉と言えるでしょう。

価格はやや高めだが、その価値は十分にある

 インターネットで簡単に購入することもできるので、身近な小麦とも言えます。ふるさと納税のお礼の品として取り扱いをしている自治体もあり、その人気が高いことがわかります。外国産のものと比べると価格は、少し高めになりますが、「春よ恋」から作る麺やパンの味・食感は、唯一無二のもであり、値段に見合う価値は十分すぎるほどあると言えます。